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自閉症、発症の鍵は分娩時?

ナショナルジオグラフィックニュース:自閉症、発症の鍵は分娩時? - 毎日新聞

 フランス、マルセイユにある地中海神経科学研究所のイェヘスケル・ベン・アリー(Yehezkel Ben-Ari)氏が主導したこの研究では、自閉症行動を見せる子どもを産むようにモデル化した妊娠したマウスの系統に、塩化物の体内レベルを下げる薬剤を投与した。すると、自閉症の兆候を見せるはずの生まれた子マウスには、その症状が全く見られなかったという。

 これより前、2006年にマウスについて行われた研究では、分娩時に子宮を収縮させるホルモンのオキシトシンが、GABA(γ-アミノ酪酸)と呼ばれる神経伝達物質の機能に影響を与える、重要な“スイッチ”の役割を果たすことが判明している。通常、GABAは胎児の成長過程にある脳内で、ニューロン(神経細胞)を活性化させる。しかし分娩時には、オキシトシンの作用により、GABAは逆にニューロンを沈静化させ、傷つきやすい胎児の脳を守る役割を果たす。このスイッチがうまく働かないと、ニューロンは分娩時も活性化されたままで、重要なシグナル伝達分子である塩化物が通常よりも高いレベルにまで上昇する。このような過程を経て生まれたマウスには、自閉症の症状が見られるという。

2月7日付で発表された研究では、2006年の研究を行ったのと同じチームが、自閉症のマウスを産むようにモデル化された妊娠したマウス2種類に対し、塩化物のレベルを下げるブメタニドという薬剤を投与する実験を行った。この場合、生まれた子マウスの脳の機能は正常だったという。逆に、正常な妊娠したマウスについてオキシトシンの作用を阻害したところ、こちらでは生まれた子マウスは自閉症のような行動を見せた。

マウスを使った実験でこのような結果が出たことは、2012年に人間の子どもを対象に実施された臨床試験に加えて、さらなる明るい材料と言える。この臨床試験では、3歳から11歳までの子ども60名にブメタニドを投与した。その結果、投与された子どもでは自閉症症状の重症度が下がったという。